今も昔も祭りはワクワク🌷【源氏物語135 第九帖 葵8】行列に参加した人々は皆美しく身を飾っているが 源氏が抜きん出て美しい。誰も彼も源氏に夢中である。
行列に参加した人々は皆 分相応に美しい装いで身を飾っている中でも 高官は高官らしい光を負っていると見えたが、 源氏に比べるとだれも見栄えがなかったようである。 大将の臨時の随身を、 殿上にも勤める近衛の尉《じょう》が するようなことは例の少ないことで、 何かの晴れの行幸などばかりに許されることであったが、 今日は蔵人《くろうど》を兼ねた右近衛《うこんえ》の尉が 源氏に従っていた。 そのほかの随身も顔姿ともによい者ばかりが選ばれてあって、 源氏が世の中で重んぜられていることは、こんな時にもよく見えた。 この人にはなびかぬ草木もないこの世であった。 壺装束《つぼしょうぞく》といって頭の髪の上から上…
深く愛する故の妄執【源氏物語134 第九帖 葵7】御息所の前を知らぬまま通り過ぎ、左大臣家に敬意を表す源氏。屈辱に涙を流す御息所
源氏は御息所の来ていることなどは 少しも気がつかないのであるから、 振り返ってみるはずもない。 気の毒な御息所である。 前から評判のあったとおりに、 風流を尽くした物見車にたくさんの女の乗り込んでいる中には、 素知らぬ顔は作りながらも源氏の好奇心を惹《ひ》くのもあった。 微笑《ほほえみ》を見せて行くあたりには 恋人たちの車があったことと思われる。 左大臣家の車は一目で知れて、 ここは源氏もきわめてまじめな顔をして通ったのである。 行列の中の源氏の従者がこの一団の車には敬意を表して通った。 侮辱されていることをまたこれによっても御息所はいたましいほど感じた。 影をのみ みたらし川の つれなさに …
女の恨みはなぜか 女に向かうもの【源氏物語132 第九帖 葵 5】祭りの日、お忍びの御息所の車を左大臣家の家従が押し退ける。
💠邸《やしき》を出たのはずっと朝もおそくなってからだった。 この一行はそれほどたいそうにも見せないふうで出た。 車のこみ合う中へ幾つかの左大臣家の車が続いて出て来たので、 どこへ見物の場所を取ろうかと迷うばかりであった。 貴族の女の乗用らしい車が多くとまっていて、つまらぬ物の少ない所を選んで、 じゃまになる車は皆|除《の》けさせた。 その中に外見は網代車《あじろぐるま》の少し古くなった物にすぎぬが、 御簾の下のとばりの好みもきわめて上品で、 ずっと奥のほうへ寄って乗った人々の服装の優美な色も 童女の上着の汗袗《かざみ》の端の少しずつ洩《も》れて見える様子にも、 わざわざ目立たぬふうにして 貴女…
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